「ページはちゃんとあるのに、検索からだけ来なくなった」|検索流入の減少を要因ごとに分解してみた話

検索流入の減少要因をページ単位で分解して確認するアナリストのイラスト

「検索からの流入が落ちている」という報告を受けたとき、最初に疑うべき場所はどこでしょうか。順位の低下、競合の台頭、アルゴリズムの変化など、候補はいくつも挙がります。今回ご紹介するのは、ある専門性の高い情報を扱うサイトで、検索経由の流入が前年同期と比べて2割前後減っていたときに実際に行った、地味な切り分け作業の記録です。

最初に浮かんだ仮説は「一部のページが検索エンジンにクロールされなくなっているのではないか」というものでした。確認を進める中で、実際にその仮説を裏付けるような表示が見つかります。ただ、見つかったからといって、そのまま報告に使ってよいとは限りません。検索流入の数字は社内外への報告にそのまま使われることが多く、誤った仮説のまま報告してしまうと、的外れな対策に時間を使うことになります。

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目次

「ブロックされています」という表示が出た

検索経由の主要な着地ページをいくつか選び、Search Consoleの検査機能で確認したところ、一部のページで「robots.txtによってブロックされました」という表示が出ました。検索結果からの主要な入口になっていたページでこの表示が出たことで、これが流入減少の主因だろうという見立てが、この時点では強くなっていました。

仮説をそのまま信じず、影響の大きさを確認する

ここでいったん立ち止まり、ブロック表示が出たページだけを取り出して、前年同期比の減少率を確認しました。結果は、2割に届かない程度の減少で、サイト全体の減少幅とほとんど変わらない水準でした。ブロックされているはずのページが、他の継続中のページと同じ程度の減り方しかしていない。この数字を見る限り、ブロック表示だけを流入減少の主因と考えるのは無理があります。

この確認には、Search Consoleの実績データと、アクセス解析側の流入データの両方を使いました。異なるツールで同じ着地ページを見ても、減少率がサイト全体とほぼ同じ水準になることを確かめた上で、次の分解に進みました。

ページ単位で分解すると、別の構造が見えてきた

そこで、検索経由の流入を着地ページ単位まで分解してみました。全体の減少分のうち、特定のページ群だけがほぼゼロに近い水準まで落ち込んでおり、その一部のページ群の落ち込みだけで、全体の減少の6割台後半を占めていることが分かりました。残りの継続中のページは、合計しても1割程度の自然な減少にとどまっていました。

検索流入の減少の内訳(概算)

前年同期比・着地ページ単位で分解した概算の構成比

要因 減少全体への影響(概算)
特定ページ群のほぼゼロ化 6割台後半
告知ページへの転送で戻った分 ▲1割程度(減少を相殺)
残りの継続ページの自然減 1割程度

ポイント:ブロック表示が出ていたページの減少率は、サイト全体とほぼ同水準でした。減少の主因は特定ページ群の落ち込みにあり、ブロックの影響は限定的です。

「サイト全体がじわじわ検索に弱くなっている」という見立てと、「特定のページ群だけが大きく落ち込んでいる」という見立てでは、打つべき対策がまったく違います。前者であれば全体のコンテンツ強化が優先事項になりますが、後者であれば、その特定のページ群に何が起きたのかを個別に調べる方が優先度が高くなります。

「検索流入が落ちている」、要因まで分解できていますか?

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消えたページの行き先を追う

ほぼゼロになっていたページ群を1つずつ実機で確認したところ、404にはなっておらず、同じ系列の告知用ページへ転送されていることが分かりました。該当するURLを実際にブラウザで開いて挙動を確かめ、データ上の推測を裏付けています。ページごとに転送先が振り分けられている作り方から、事故的な削除やサーバーエラーではなく、事業側の判断で意図的に行われた整理だと判断できました。

転送先の告知ページに検索流入がどれだけ移っているかも確認しましたが、戻ってきた分は全体の1割程度にとどまっていました。転送したからといって、流入がそのまま維持されるわけではないという結果です。

「主因ではない」と、分からないことまで決めつけない

ここまでの確認で、流入減少の主因は特定ページ群の計画的な整理にあり、表示上のブロックの影響は限定的だと判断しました。ただし、ブロック表示自体がいつから出ていたのか、実際のクロールにどこまで影響していたのかは、今回のデータだけでは特定できていません。「影響が限定的だった」という判断と、「まったく無関係だった」という判断は別物です。分かっていないことを分かったことのように書かないよう、ここは保留のまま次の確認に進むことにしました。

まとめ

今回の一件で持ち帰ったのは、「最初に見つかった仮説をそのまま使わない」という姿勢です。ブロック表示という目立つ材料が出てきたときほど、それだけで結論を出さず、影響の大きさを数字で確認する一手間が必要になります。検索流入が落ちたという事実を見たら、まず着地ページ単位まで分解してみる。確認が終わるまでは、目立つ材料ほど主因と決めつけない。この2点を運用に組み込んでおくことを、改めておすすめします。

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