
「サイトリニューアルをしたら検索からの流入が半分になった」「デザインをきれいにしたのに問い合わせが来なくなった」——これはリニューアル後に多くの中小企業が直面する深刻な問題です。原因の多くはSEO対策を考慮しない移行にあります。本記事では、サイトリニューアルで流入が激減する典型的な原因と、事前に防ぐための実践的な対策を解説します。
📋 この記事のポイント
- サイトリニューアル後の流入激減は「URLの変更・301リダイレクト漏れ・内部リンク切れ・インデックス設定ミス」が主な原因
- リニューアル前に必ず行う3つの準備:①現在の流入ページリスト作成 ②URL変更マッピング ③リダイレクト設定の完全確認
- リニューアル後は最低3ヶ月間、Google Search ConsoleでCTR・順位・クロールエラーを週次でモニタリングする
サイトリニューアル後に流入が激減する5つの原因
① URLが変わったのにリダイレクトが設定されていない
リニューアル後の流入激減で最も多い原因がこれです。サイトリニューアルでは、ページのURL(パーマリンク)が変更されることがよくあります。例えば「https://example.jp/service/」が「https://example.jp/services/web-design/」に変わったような場合です。旧URLへアクセスすると「404エラー(ページが見つかりません)」が返されます。Googleはこれを「そのページが削除された」と判断してインデックスから外し、それまで積み上げたSEO評価が消失します。Googleの評価はページ単位で蓄積されるため、URLが変われば0からの再スタートになります。これを防ぐには旧URLから新URLへの301リダイレクト設定が必須です。
実際のトラブル事例として、月1,000件以上の問い合わせを獲得していた製造業のサイトが、デザインリニューアル時にURL構造を全面変更したところ、301リダイレクトが一切設定されていなかったために、翌月の問い合わせが90件まで激減した例があります。リニューアルを担当した制作会社は「デザインの変更なので、SEOへの影響はないはず」と思い込んでいたため、リダイレクト設定を全く考慮していませんでした。その後、リダイレクト設定を完了するまでに3週間、流入が元の水準に戻るまでにさらに4ヶ月を要しました。
301リダイレクトはWordPressの場合、「Redirection」や「Safe Redirect Manager」などのプラグインで設定できます。重要なのは「全件もれなく設定すること」で、1つでも漏れがあるとそのページのSEO評価が失われます。リニューアル前に旧URLの一覧表を作成し、新URLとの対応表(リダイレクトマップ)を完成させてから作業を進める手順が不可欠です。また、リダイレクト設定後はGoogle Search Consoleの「404エラー」レポートで漏れがないかを必ず確認してください。
② noindexがついたまま公開した
制作中のサイトをGoogleに見せたくない場合、「noindex」設定をすることで一時的にインデックスを拒否できます。これはリニューアル中の未完成サイトが検索結果に表示されることを防ぐための一般的な対応です。問題は、本番公開の際にこのnoindex設定を解除し忘れてしまうことです。設定が外れていない状態で公開すると、Googleはサイト全体を「インデックス不要」と解釈し、新しいサイトは検索結果に一切表示されなくなります。
このミスは非常に気づきにくいのが特徴です。見た目上はサイトが正常に表示されており、URLを直接入力すればアクセスできるため、「サイトは正常に公開された」と認識してしまいます。Google Search Consoleを確認していないと、数週間〜数ヶ月にわたって「なぜか検索から人が来ない」という状況が続きます。実際に、あるサービス業の会社がリニューアル後に問い合わせがゼロになったと相談してきたケースで、原因を調べたらnoindexが全ページに設定されたままだったという事例があります。公開直後にGSCでインデックス状況を確認することが、このような事故の早期発見につながります。
WordPressでは「設定」→「表示設定」の「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」チェックボックスで設定します。公開チェックリストにこの確認項目を必ず含めてください。また、Rank MathなどのSEOプラグインでもページ単位でnoindexを設定できるため、特定の重要ページにnoindexが残っていないかも確認が必要です。公開後の手順として「GSCでURL検査ツールを使って主要ページのインデックス状態を確認する」を必ず実施してください。
③ コンテンツ量が大幅に減少した
リニューアルの目的として「サイトをすっきりシンプルにしたい」「不要なページを整理したい」というケースは多いです。しかしGoogleの評価においてコンテンツ量は重要な要素の一つであり、情報量の減少はサイト全体の評価を下げるリスクがあります。特に、過去にSEO流入を獲得していたブログ記事やコラムページを「古いから」という理由でまとめて削除してしまうと、削除したページが持っていた被リンクや検索評価がすべて失われます。
例えば、5年分のブログ記事(200本)を運営していた会社が、「情報が古い」という理由でリニューアル時に全ブログ記事を削除したところ、翌月のオーガニック流入が前月比70%減少した事例があります。ブログ記事それぞれが「〇〇 やり方」「〇〇 比較」といったロングテールキーワードで流入を獲得していたため、削除によって数百のキーワードでの流入が一気に失われました。「古いコンテンツだから不要」という判断は、SEOの観点では非常に危険です。
ただし、コンテンツをすべて残せばいいわけでもありません。品質が著しく低いコンテンツ・重複コンテンツ・情報が完全に古くなったコンテンツはGoogleの評価を下げる場合があります。リニューアル時のコンテンツ判断は、「削除・リダイレクト・更新」の3択で検討することが重要です。Google Analytics・Search Consoleでページ単位の流入数・クリック数を確認し、流入がゼロのページは削除、流入があるが古いページは更新、という基準で判断してください。削除したページには必ず301リダイレクトを設定します。
④ ドメインを変更した
会社名の変更やブランドイメージの刷新に合わせて、リニューアルと同時にドメインを変更するケースがあります。ドメインにはそれ自体のSEO評価が蓄積されており、長年運用してきたドメインは「信頼性の高いサイト」としてGoogleに認識されています。ドメインを変更すると、この蓄積されたドメイン評価は新しいドメインには引き継がれないため、SEO評価がほぼゼロからのスタートになります。これは301リダイレクトを設定した場合でも、完全な引き継ぎは不可能です。
実際に、10年間運用してきた「company-name.co.jp」から新ブランドの「new-brand.jp」へドメイン変更を行った企業で、301リダイレクトを完全に設定したにもかかわらず、移行後6ヶ月でオーガニック流入が40%減少し、元の水準に戻るまでに1年以上かかった事例があります。ドメイン変更は、SEOへのダメージが最も大きい施策の一つです。よほどの理由がない限り、リニューアルでドメインを変更することは避けることを強く推奨します。「会社名が変わった」としても、旧ドメインからのリダイレクトを維持しながら新ドメインを育てる方法が現実的です。
どうしてもドメインを変更する場合は、旧ドメインから新ドメインへの301リダイレクト設定に加え、Google Search Consoleで「アドレス変更」ツールを使ってGoogleに変更を明示的に通知することが必須です。旧ドメインのサーバーとDNS設定は移行後最低1〜2年は維持し、被リンクの多い旧URLへのリダイレクトは永続的に維持することを検討してください。旧ドメインを放棄すると、そのドメインを第三者に取得されてスパムサイトに使われるリスクもあります。
⑤ 内部リンク構造が崩れた
内部リンクはSEOにおいて「Googleがサイト内のページの重要度を評価する」手段の一つです。重要なページに多くの内部リンクが集まっているサイト構造は、Googleに「このページが重要だ」というシグナルを送ります。リニューアルでページ構成が変わると、本文内の内部リンクが切れたり、サイト全体の回遊構造が崩れることがあります。内部リンク切れは「404エラー」の原因になり、ユーザビリティとSEOの両方に悪影響を与えます。
特に多く見られるのは、過去の記事内に埋め込まれた内部リンクが、リニューアルで変わったURLのまま放置されてしまうケースです。例えば、「ホームページ制作の費用についてはこちら」というリンクがあった場合、リニューアルで「/service/」というURLが「/services/web-creation/」に変わったにもかかわらず、過去の記事内のリンクは更新されずに404エラーになります。このような内部リンク切れが多数あると、GSCのカバレッジレポートに大量のエラーが表示され、Googleのクロール効率も下がります。
内部リンク切れの確認と修正には、Screaming FrogというSEOクローラーツール(無料版で500URLまでクロール可能)が便利です。サイトのURLをクローラーにかけると、404エラーになっている内部リンクを一覧で抽出できます。WordPressを使っている場合は「Broken Link Checker」プラグインを使って定期的にリンク切れを自動検出する仕組みを作ることも有効です。リニューアル後には必ずこれらのツールでリンク切れゼロの状態になっているかを確認してください。
SEOを守るサイトリニューアル 移行チェックリスト
リニューアル後に流入が激減した場合の対処法
すでに流入が激減してしまった場合、まずGoogle Search Consoleでカバレッジエラー・404エラー・リダイレクトエラーを確認してください。リダイレクト漏れが原因であれば、すぐに設定することで数週間以内に回復の兆候が現れます。ただしGoogleのインデックス更新には時間がかかるため、即日で元に戻るわけではありません。焦って追加施策を重ねすぎると原因の特定が難しくなるため、まず1つずつ原因を特定して対処することが重要です。
noindexが残っていた場合はすぐに解除し、GSCのURL検査ツールで主要ページのインデックス申請を行ってください。コンテンツの削除が原因の場合は、削除したページを復元するか、類似コンテンツを再作成する対応が必要です。「リニューアル前と同等のコンテンツ量に戻す」ことが回復の前提になります。内部リンク切れが原因の場合はScreaming Frogなどのクローラーで全件洗い出し、リダイレクトか内部リンクの修正で対処します。どの原因であっても、流入回復の目安は対処完了後3〜6ヶ月を見ておくことが現実的です。WordPress設定・SEO設定の基本についてはWordPressサイトの基本SEO設定を参照してください。また、制作会社選びや外注先選定・費用の検討についてはホームページ制作の費用と外注判断のポイントもご覧ください。
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