コンテンツは出せば出すほどいい、という前提で記事を増やしている会社は多いと思います。ところが、本数が増えても問い合わせは横ばい、という声もよく聞きます。私たちも同じことをやって、同じ壁にぶつかりました。この記事では、そのとき自社のサイトで実際に何が起きていたのかを、数字を出しながら書きます。きれいな成功談ではありません。
なぜ「増やすほど成果が出ない」ことが起きるのか
理屈から先に言うと、似た記事が増えると、検索エンジンはそのなかから一本だけを選んで表示し、残りを事実上放置します。同じような問いに答える記事が何本もあれば、どれを見せればいいか決められないからです。書いた側は「本数が資産になる」と思っていても、検索エンジンからは「同じ話の繰り返し」に見えている、ということが起こります。
もうひとつ、クロールの問題があります。検索エンジンがサイトを見に来る量には限りがあり、価値の低いページや重複したページを見て回る分だけ、本当に見てほしいページに手が回らなくなります。増やしたページが、逆に足を引っ張るわけです。
自社サイトで実際に何が起きていたか
ここからは具体的な数字です。ある時点で、自社サイトのインデックス状況を調べたところ、検索エンジンに登録されているのが341ページ、登録されていないのが222ページありました。半分近くが載っていない計算です。
「載っていない222ページ」の中身を一つずつ見ていくと、その多くはタグやフィードのような、もともと検索に出す必要のないURLでした。それらを除くと、「クロールはされているのに登録されていない」実際の記事が二十本ほど残りました。問題はここからです。この二十本、どれも文字数は2,500字から9,000字あって、内容が薄いわけではありませんでした。
では、なぜ載らないのか。見出しを並べて気づきました。どの記事も「結論、なぜうまくいかないのか、よくある間違い、正しい考え方、具体的な改善アクション、まとめ」という、まったく同じ骨組みだったのです。しかも締めくくりは判で押したように「売上に直結する構造が大事だ」。書いているテーマも中身も近い。検索エンジンから見れば、ほぼ同じ記事が何本も並んでいる状態でした。だから代表を一本だけ残して、あとは落とされていた。増やすためにかけた時間が、そのまま埋もれていたわけです。
「量産」から「統合・差別化」への直し方
気づいてからやったことは、増やすのを止めて、まとめる作業でした。手順としてはこうです。
- 似たテーマの記事を洗い出す。タイトルと見出しを一覧にすると、被りは一目で分かります。
- 残す記事と、たたむ記事を決める。独自の切り口があるものは残し、他と代わり映えしないものは統合の対象にします。
- たたむ記事のなかで、そこにしかない一節や事例を、残す記事へ移す。内容を捨てずに引き継ぎます。
- 不要になったURLは、残した記事へリダイレクトする。読者も検索エンジンも迷わせません。
- 残した記事どうしを内部リンクでつなぐ。全体を束ねる一本(親記事)を決めておくと、構造が伝わりやすくなります。
やってみて分かったのは、記事は多いほど強いわけではない、ということでした。数を減らして評価を一本に集めたほうが、結果的に読まれます。新しく書き足す前に、まず手元の整理から始めたほうが早いことのほうが多いです。
読まれても問い合わせにつながらない、を防ぐ
記事が検索に載って読まれるようになっても、そこから問い合わせにつながるかは別の話です。ここでつまずくのは、たいてい導線の設計が抜けているからです。
コンテンツには役割があります。初めて知ってもらう記事、他社と比べてもらう記事、最後に決めてもらう記事。この三つは読者の状態が違うので、置くべき「次の一歩」も変わります。知ってもらう段階の記事に、いきなり「お問い合わせはこちら」を大きく置いても響きません。逆に、比較検討している人向けの記事なら、資料や無料診断のような、一歩踏み込める入口が効きます。
記事の最後に、その記事を読み終えた人が自然に進みたくなる行き先を用意しておく。関連記事でもいいし、ツールでもいい。「読んで終わり」にせず、次につなぐ。それだけで、同じアクセス数でも問い合わせの数は変わってきます。
直すときのチェックリスト
- 過去記事のタイトルと見出しを一覧化し、テーマの被りを確認したか。
- 「独自の切り口があるか」で、残す・統合するを判断したか。
- 統合するとき、元記事の価値ある部分を残す先へ移したか。
- たたんだURLをリダイレクトし、内部リンクを張り直したか。
- 残した記事ごとに、読者の段階に合った「次の一歩」を置いたか。
まず現状を数字で見る
自社のコンテンツが今どう評価されているかは、感覚では分かりにくいものです。手始めに、自社サイトのURLを弊社の無料診断ツールに入れてみてください。AI検索やSEOへの対応度を採点し、弱い箇所を具体的に示します。登録は不要で、結果は1分ほどで出ます。
コンテンツを含めてWeb全体をどう設計し直すかは、中小企業のWeb戦略の考え方にまとめています。今回の「量から質へ」は、その全体設計のなかの一部です。自社サイトが危ない状態に入っていないかを点検したい場合は、10のサインで見る自己診断もあわせてどうぞ。
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