なぜ儲かる企業はメディアを育て、失敗する企業は放置するのか?
「オウンドメディアはもうオワコン」
——これは、途中で投げ出した企業だけが口にします。
一方で、成功している企業はこう言います。
「記事は広告より遅い。でも、広告より長く働く」
つまり、オウンドメディアが成果を出せるかどうかは、
“流行りだから始めるか”、“資産だから育てるか” の違いで決まります。
オウンドメディアの失敗は、手法の問題ではなく“経営スタンスの問題”です。
オウンドメディアの成功とは「将来のリード獲得コストを恒久的に削減すること」
PVが伸びても、SNSでバズっても、問い合わせが来なければ企業は続けません。
それは正しい判断です。
では、オウンドメディアの“成功”とは何か?
オウンドメディアの成功 = “広告費を使わずに見込み顧客を連れてくる仕組み化”
| 成果指標 | 目的 | 
|---|---|
| PV | 認知 | 
| CV | 興味転換 | 
| LTV | 経営貢献 | 
つまり、PVは成果ではなく、ただの通過点。
本当に見るべき数字は “問い合わせ単価(CPA)の低下” です。
「PV指標」 vs 「CPA指標」──メディアのKPIを間違えていないか?
| KPIタイプ | よくある誤解 | 本当の評価 | 
|---|---|---|
| PV(閲覧数) | 数字が大きければ成功 | ノイズも含む指標 | 
| CPA(問い合わせ単価) | 測りにくい | ROIを示す本質指標 | 
PVは“アクセスの拍手”に過ぎない。
CPAは“ビジネスの評価”である。
“中小企業こそ勝てる” ニッチ領域の設定方法
オウンドメディアで失敗する企業の90%は、テーマ設定で間違えます。
理由は簡単。戦わなくていい市場で、なぜか戦いに行っているから。
コンテンツ領域の見つけ方(3フィルター)
| フィルター | 質問 | 
|---|---|
| 顧客基盤性 | 既存顧客が困っているか? | 
| 専門性 | 自社にしか語れない視点か? | 
| 競合回避性 | 上位ページが大手ではないか? | 
例:
「SEOとは?」 → レッドオーシャン
「建設業でSEOを成功させる条件とは?」 → 独自領域
オウンドメディアのPDCA:リードから商談化まで追跡せよ
メディア担当がよく言う言葉があります。
「問い合わせは来てるみたいです」
“みたい”ではダメです。
LTV(顧客生涯価値)に繋がった記事はどれか? まで追跡して初めて、経営資産と呼べます。
追跡のためのPDCA項目
| フェーズ | 見る指標 | 
|---|---|
| 記事 | 流入・完読率 | 
| CV | 問い合わせ率 | 
| 商談 | 案件化率 | 
| 受注 | 粗利・リピート | 
オウンドメディアとは、記事数ではなく“利益貢献記事”を育てる装置である。
あなたのメディアは「広告代替」になれているか?
「このメディアがあるから、広告費が減った」と言えるか?
言えないのであれば、それは“情報発信サイト”であって、
資産ではありません。
ROIを可視化するためのシンプルな計算式
メディアROI = (年間CV数 × 商談化率 × 受注単価)− (運用コスト)この式に耐えられるメディアこそ、持つ価値がある。
メディアは「継続コスト」ではなく、「将来コストの削減装置」だ
オウンドメディアが“オワコン”と言われるのは、成果が出る前に手を止める企業があまりにも多いからです。
しかし、本質はシンプルです。
広告のように一瞬で燃え尽きない、
“未来の問い合わせ”を静かに積み上げる仕組み。
その価値を理解せず、PVだけを追い、記事を量産し、
やがて「効果がない」と嘆くーー
それはメディアではなく「(単なる)情報発信サイト」です。
逆に、CPA・LTV・商談化率を指標に置き、
記事を“資産”としてメンテナンスし続ける企業ほど、広告費を減らしながら売上を伸ばしています。
あなたのメディアは、
“情報発信”で終わっていますか?
それとも、“利益を生む資産”へ進化し始めていますか?
もし後者でありたいなら、
今日すべきことは記事を増やすことではなく、
「利益を生んだ1本」を特定し、増やすことです。
それができれば、
“オウンドメディアは終わった”どころか、
“最も再現性の高い武器”へと変わります。

