WEBマーケティングにおいて「CPA(CV単価)を下げる」ことが重要視される場面は多くあります。たしかに、1件あたりのコンバージョン獲得コストを抑えることは、広告運用やマーケティング活動において効率的です。しかし、CPAが安くなったのに「売上が伸びない」「利益が増えない」と感じていませんか?
本記事では、「CV単価が安くても売上が増えない理由」と「1CVの重みを見直す戦略的なPDCA」について、実践的な視点から解説します。
CPA(CV単価)ばかりに注目する落とし穴
CPAとは、コンバージョン1件を獲得するためにかかったコストのことです。広告運用では、Google広告やMeta広告などの管理画面に表示される主要指標であり、「CPAが低ければ効率が良い」と考えられがちです。
しかし、CPAばかりに注目していると、以下のような落とし穴に陥る可能性があります。
- 購買に繋がらない“質の低いCV”が増えている
- 本来狙いたいターゲットとはズレたユーザーがCVしている
- 無料サンプルや資料請求など、売上に結びつかないCVばかりが増えている
CV単価が安くても、最終的な売上や利益に繋がらなければ意味がありません。「CPAを最適化したはずなのに成果が出ない」という状態は、CVの“量”だけに目を奪われ、“質”の視点が欠けていることが原因です。
実は“無駄CV”を量産していないか?
以下のようなCVは、一見数字としては成果に見えるものの、実態は「売上に繋がらない無駄なCV」の可能性があります。
- 営業につながらない資料請求
- リスト獲得後に全く開封されないメルマガ登録
- フリーメールアドレスでの無料登録
例えば、月間100件のCVがあったとしても、実際に商談・受注に至るのが1割以下であれば、CVの質に問題があるといえるでしょう。
マーケティングにおける「質の高いCV」とは、売上や成約に直結する見込み度の高いアクションです。逆に「数だけ稼ぐCV」は、リソースや広告費を浪費してしまう要因にもなり得ます。
1CVあたりの売上想定価値を基準にしたKPI設計
では、どうすればCVの“質”を見直せるのでしょうか?
鍵となるのが、1CVあたりの売上想定価値を把握することです。
1CVあたりの売上想定価値の算出方法
基本的な計算式は以下の通りです。
1CVあたりの売上想定価値 = 客単価 × 成約率
- 客単価:1件の契約・購入あたりの平均売上額
- 成約率:CVから実際に成約に至る確率
たとえば、客単価が20万円、CVからの成約率が10%の場合、
1CVあたりの売上想定価値は = 20万円 × 0.1 = 2万円
この「2万円」という価値を基準にして、CPAや広告投資の判断を行うことが重要です。
この視点をKPIに落とし込む
KPI設計では、以下のように指標を連動させましょう。
- CV数だけでなく「CV→商談率」「商談→受注率」もKPIに設定
- CPAだけでなく「1CVあたりの収益(CVR×LTV)」で投資判断
- Google AnalyticsやCRMと連携し、商談・受注までの流れを可視化
これにより、「見た目の成果」ではなく、「本質的な利益」に基づいたマーケティングのPDCAを回すことができます。
成果を高めるためのPDCAサイクル例
1CVあたりの価値に注目したマーケティング施策では、以下のようなPDCAサイクルが有効です。
【Plan:計画】
- 1CVあたりの売上価値を算出
- 各チャネルのCVの“質”を分析
- ターゲットと商材の適正を見直す
【Do:実行】
- ペルソナに合わせたLPや広告クリエイティブを作成
- 検索意図に沿ったコンテンツSEOを実施
- 商談につながるCTAを設計
【Check:評価】
- CV数/CPA/商談率/受注率をレポート化
- 各チャネルごとのCV質を比較・評価
- GA4・CRM連携でLTVやROIを確認
【Act:改善】
- 商談率の高いチャネルへの予算配分
- CVにつながりやすいキーワードの強化
- コンテンツや導線の改善(ヒートマップやABテスト)
このように、成果に直結する視点で施策を回すことで、「CVは取れているが売上が増えない」という状況を打破することができます。
まずは1CVの価値を明らかにしませんか?
CPAを下げることに成功しても、売上が伴わなければマーケティング施策は成功とはいえません。重要なのは、「そのCVは本当に価値があるのか?」を問い直すことです。
弊社では、WEBサイトのCVデータをもとに、CVの価値・質を可視化する支援を行っています。
- CVから成約までのボトルネック分析
- 各チャネルの投資対効果の見直し
- KPI再設計と改善のご提案
まずは、自社のWEB集客が「売上に直結しているか?」を、一緒に見直してみませんか?お気軽にご相談ください。