中小企業のWEBマーケティングにおいて、「コンバージョン(CV)数」が1つの成果指標として扱われる場面は多くあります。しかし、その「CV」はすべて同じ価値でしょうか?
実は、CVの発生チャネル(広告、オーガニック検索、SNSなど)によって、1件あたりの価値は大きく異なります。本記事では、特に「広告CV」と「オーガニックCV」の違いに焦点を当て、なぜオーガニックCVの方が高い価値を持つのかを、ファクトに基づいて解説します。
CVにも「チャネル別価値」がある
CVを語る上で見落とされがちなのが、「チャネルごとの価値の違い」です。CVとは一見同じ「問い合わせ」や「資料請求」に見えても、その後の**商談化率・受注率・LTV(顧客生涯価値)**に大きな差が生まれることが多いのです。
広告チャネルの特徴
- 即効性が高い
- 意図せずクリックされる可能性も高い(=モチベーションが低い)
- ターゲティングは絞れるが、クリック単価が高騰しやすい
オーガニック検索の特徴
- 課題を認識し、能動的に検索したユーザー
- 成約までの熱量が高い
- 継続的に流入が発生しやすい
つまり、「数」ではなく「質」で見ると、オーガニック検索経由のCVの方が成果に直結する傾向が強いのです。
なぜ広告CVは質が下がりがちなのか?
「広告CV=悪」と言いたいわけではありません。ただし、多くの中小企業では、広告CVに依存することで**“成果につながらないCV”を量産する状態**に陥っているケースがあります。
よくある広告CVの課題
- 興味関心が薄いユーザーが流入してしまう
- 競合比較のためにとりあえず問い合わせるユーザーが多い
- LP(ランディングページ)でCV誘導を強くしすぎて「興味が薄いCV」が増える
これに対し、オーガニック流入ユーザーは自ら「調べて」到達しているため、比較的意欲が高く、内容を吟味してCVに至っているケースが多いのです。
オーガニックCVの特徴と価値の高さ
では、なぜオーガニックCVは高い価値を持つのでしょうか。以下のような背景があります。
1. 検索意図に基づいたコンテンツ接触
検索エンジン経由で流入してくるユーザーは、「課題解決」や「比較検討」のフェーズにあることが多く、商談化・受注に至るまでのモチベーションが高い傾向があります。
2. ブランディング効果が高い
オーガニックで上位表示されている企業に対して、ユーザーは無意識に**「信頼できる情報源」**という印象を持ちやすく、ブランド認知・信頼獲得の側面でも有利です。
3. LTVが高くなる傾向がある
中長期的に見ると、オーガニックCVからの顧客はリピート率が高く、LTVが高い傾向にあります。これは、元々の興味・関心が高いため、継続的な関係を築きやすいからです。
集客チャネルごとのLTVを把握する方法
「広告CVよりオーガニックCVの方が質が高い」といっても、これは仮説に過ぎません。大切なのは、自社のデータで“CVの価値”を可視化することです。
必要なデータセット
- チャネル別CV数(Google Analytics)
- チャネル別CVからの商談化率(CRMやスプレッドシート管理)
- 商談から受注までの確率
- 1件あたりの平均受注額またはLTV
これらのデータを追っていくと、**「CV数は広告が多いが、受注はオーガニックが多い」**といった因果関係が見えてくるはずです。
簡易的な計算式
チャネル別CV価値 = 商談化率 × 受注率 × 平均受注額
広告とオーガニックでこれを比較することで、どこにコストをかけるべきか、戦略が見えてきます。
広告依存から脱却し、オーガニック比率を高める戦略
広告は即効性があり、ゼロから流入をつくるには非常に効果的です。しかし、コストをかけ続けなければならず、利益率が悪化しやすいのも事実です。
そこで、長期的に安定した集客基盤をつくるために、オーガニック流入比率を高める戦略的な取り組みが必要です。
主な施策
- コンテンツSEOの実施(検索意図を満たす記事制作)
- テクニカルSEOの見直し(構造化・内部リンク最適化)
- E-E-A-T対策(著者情報、専門性の強化)
- リライトとコンテンツの再設計
このような施策に投資することで、広告費をかけなくても安定したCVが得られる仕組みを構築できます。
【事例紹介】オーガニックCV改善で問い合わせの成約率が2倍に
あるBtoB企業では、広告経由CVに偏重した集客戦略を行っていましたが、オーガニックCVの受注率が約2倍であることが判明。そこで以下の対策を実施しました。
- 検索意図別にLPと記事を最適化
- 広告の比率を下げ、SEO強化へリソースシフト
- GA4とCRM連携により、CV後の動きを可視化
結果、全体のCV数は減少したものの、売上は前年比150%超に到達。オーガニック強化のROIの高さが明確になりました。
CVの「チャネル別価値」を把握しよう
CV数は成果指標の1つですが、「どのチャネルから生まれたか?」を見ずに判断するのは危険です。特に中小企業の場合、限られた広告費で“無駄CV”を生むリスクは高く、投資対効果の最大化にはチャネル別のCV価値の理解が不可欠です。
「オーガニックCVの比率をどう上げるか?」「今のCVの“本当の価値”はどれくらいか?」といった視点を持つことで、より戦略的なWEBマーケティングを実現できます。
成果を生むチャネル設計、ご相談ください
当社では、広告・オーガニック・SNSなどのチャネル別にCVの質とLTVを分析し、売上につながる集客戦略の立案・実行をサポートしています。
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