CVが増えたのに、利益が減っていませんか?
多くの中小企業が「コンバージョン(CV)数=成果」と考え、WEB施策のKPIをCV数に置いています。確かに、CVが増えることは一見ポジティブな成果に見えますが、それが「利益」に繋がっていなければ意味がありません。
実は、CV数だけを追っていると、「広告費はかかっているのに粗利が増えない」「問い合わせは増えたのに売上は横ばい」といった事態に陥りがちです。この記事では、1CVあたりの“利益”に着目することの重要性を解説し、WEB集客の本質を見直す視点をご紹介します。
数字だけでは見落とす、CVと利益の関係
CVが増えても「赤字」になりうる理由
たとえば、広告費をかけてCVを獲得したとしても、その問い合わせが「受注につながらない」「粗利が低い案件ばかり」であれば、結果として利益は増えません。中小企業では、限られた予算内で成果を出すことが求められるため、利益に直結しないCVの増加は、むしろコストになる可能性すらあります。
“CV=売上”ではない、という事実
よくある誤解に「CVが増えれば売上が増える」という考え方があります。しかし、実際には、
- CVのうち受注につながる割合(受注率)
- 平均単価(売上)と粗利率
- 営業工数や対応時間の負担
といった要素によって、CVがどれだけ利益を生み出せるかは大きく変わります。
「粗利ベース」で考える1CVの真の価値とは
CPAではなく“GPA”で見るべき理由
CPA(Cost Per Acquisition)は、1件あたりのCV獲得単価を示す指標です。確かに広告運用などの効果測定に使われる重要な指標ですが、それだけでは“利益”を判断できません。
そこで注目すべきが、GPA(Gross Profit per Acquisition)=1CVあたりの粗利です。
【GPAの算出例】
- CV数:100件
- 受注率:20%
- 平均粗利:1件あたり30,000円
- CPA:5,000円
→ 100件中20件が受注し、粗利は600,000円
→ 広告費は100×5,000円=500,000円
→ 粗利ベースの利益は100,000円
→ GPA = 1,000円(1CVあたりの粗利)
このように、CV数が多くても利益がわずかしか出ていない可能性があります。逆に、CV数が少なくても高単価な成約が多ければ利益は伸びることもあります。
利益を最大化するために見直すべき3つの視点
1. 高GPAなCVを生み出す導線とは?
全てのCVが同じ価値を持つわけではありません。たとえば、次のような違いがあるかもしれません。
- 「価格重視」で流入してきたユーザー → 受注率・単価が低い
- 「課題解決を重視」しているユーザー → 高単価かつ長期契約に繋がりやすい
つまり、どのページ・導線から来たCVが“利益を生んでいるか”を特定することが重要です。Google AnalyticsやCRMデータを活用して、流入元別・ページ別のGPAを可視化しましょう。
2. コンテンツの見直し|集客だけでなく“選別”する仕組み
低GPAなCVばかりが増えている場合、集客コンテンツが「間口が広すぎる」可能性があります。むやみにアクセス数を増やすのではなく、次のような視点でコンテンツを最適化することが有効です。
- 「○○業界向け」「○○な課題を抱える方へ」と明示し、ペルソナを絞る
- CTAの文言を具体化し、対応可能なサービスの範囲を明記する
結果的に、CV数は減っても利益につながるCVの比率が増え、収益性が向上するケースが多く見られます。
3. 無駄CVを減らすフォーム設計とオファー設計
「なんとなく問い合わせてきた」CVを減らすために、次のような工夫が効果的です。
- フォーム項目に「予算」「導入予定時期」などを設ける(フィルタリング)
- 無料資料DLなどライトなCVと、相談予約などハードなCVを分ける(CV種別の整理)
- 「よくある質問」などで不適合なユーザーの離脱を促す(自己選別)
成果につながるWEB施策のためのPDCAサイクル
1CVの“利益”をKPIに組み込む
これまで「CV数」や「CPA」をKPIにしていた企業も、GPAや1CVあたりのLTVを指標に加えることで、意思決定の精度が飛躍的に高まります。
改善のPDCA例:
フェーズ | アクション例 |
---|---|
Plan | GPA分析を行い、高利益CVの特定 |
Do | 高GPA導線の強化、低GPA導線の見直し |
Check | Google AnalyticsとCRMを連携し、成果を計測 |
Act | コンテンツ再設計やフォーム改善など次の打ち手へ |
【事例紹介】CVが減ったのに売上が増えた企業の例
あるBtoBサービス企業では、「問い合わせ件数が多いが受注率が低い」という課題を抱えていました。分析の結果、低GPAなCVが全体の6割以上を占めていたことが判明。そこで以下の改善を実施しました。
- コンテンツを専門性の高い内容に変更(ターゲット絞り込み)
- フォームに「導入予定時期」「課題記入欄」を追加
- LPに「対象外の業種」「費用感」の記載を明記
結果として、CV数は30%減少したものの、売上は1.6倍に増加。GPAベースでの最適化が、大きな成果に繋がった好例です。
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“見かけの成果”に惑わされず、本質を見る力を
WEBマーケティングの成果は、決して「数」だけでは測れません。重要なのは、1件のCVがどれだけの“価値”を生んでいるかです。
CV数やCPAに目が行きがちですが、GPA(粗利)やLTV(顧客生涯価値)といった「利益視点」で指標を設計することが、売上の最大化と施策の最適化につながります。
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