なぜ「CV=成果」は危険なのか?
WEBマーケティングに取り組む多くの中小企業では、「コンバージョン(CV)が増えれば成果につながる」と考えてしまいがちです。確かにCV数は重要な指標のひとつですが、それだけを追いかけてしまうと、実は“本当の成果”に結びつかない可能性があります。
実際に「CV数は増えているのに売上が伸びない」「CVが減ったのに利益は上がっている」といったケースが少なくありません。
本記事では、成果に直結する「価値あるCV」を見極め、1CVあたりの価値から逆算した戦略的なWEB改善方法を解説します。
よくある「コンバージョン=成果」という誤解
多くの企業が「CV=資料請求や問い合わせの件数」と捉え、CV数の増加を目的に施策を展開しています。しかし、以下のようなパターンが発生するとどうでしょうか?
- 問い合わせは多いが、実際に商談に進まない
- 無料相談が増えたが、成約には結びつかない
- 資料請求は多いが、そもそもターゲット層ではない
つまり、“量”としてのCVは増えても“質”が伴っていなければ、売上や利益には結びつかないのです。
真に見るべき指標は「1CVあたりの価値(=売上や利益にどれだけ貢献しているか)」です。
1CVの価値を決める3つの要素
「1CVの価値」を正しく把握するには、以下の3つの要素を意識する必要があります。
1. CV種別(どのCVか?)
CVにはさまざまな種類があります。例えば:
- 資料請求
- 無料相談
- メール問い合わせ
- メルマガ登録
- 商品購入(EC)
これらはすべて「CV」ですが、それぞれの“見込み度合い”や“売上への寄与度”は異なります。まずは、CVの中身を分類し、どのCVが売上に貢献しているかを明らかにしましょう。
2. 成約率(CVから商談・成約につながる割合)
同じ資料請求であっても、企業によって成約率は異なります。過去のデータをもとに「CV→商談→成約」の割合を算出することで、1CVの“確度”を数値化できます。
3. LTV(顧客生涯価値)
一度購入して終わりなのか、継続的な取引があるのか。LTV(Life Time Value)が高ければ、高単価なCVを重視すべきです。たとえば、
- 1件のCVが10万円の商品1回ならLTVは10万円
- 同じCVが月1万円の商品を12ヶ月継続ならLTVは12万円
この違いは戦略に大きく影響します。
CV価値から逆算して改善すべきページとは?
CVの“質”を重視する戦略では、以下のように施策の優先順位が変わります。
例:2つのLP(ランディングページ)の比較
LP | CV数/月 | 成約率 | 平均売上/成約 | 1CVあたりの売上 |
---|---|---|---|---|
A | 50件 | 10% | 10万円 | 1万円 |
B | 20件 | 50% | 30万円 | 7.5万円 |
一見、CV数の多いLP Aが成果を出しているように見えますが、1CVあたりの売上で見るとLP Bが圧倒的に高いことがわかります。つまり、改善すべきはCV数を伸ばすLP Aではなく、CVの質をさらに高めるLP Bです。
【事例紹介】CVが3割減っても売上が1.5倍になった理由
ある中小企業の例を紹介します。
背景
- リード獲得数:月100件
- 売上:月100万円
- CV経路:3つのLP+TOPページ
課題
- 無料相談からの成約率が極端に低い
- 顧客単価が平均5万円と低く、利益が出づらい
施策
- 全CVの成約率と売上への貢献度を分析
- 「問い合わせCV」に絞ってLPを再設計
- 無料相談やメルマガ登録はCTAを減らして導線を整理
結果
- CV数:100件 → 70件(30%減)
- 成約率:10% → 25%
- 平均単価:5万円 → 8.5万円
- 売上:100万円 → 150万円
CVが減ったにもかかわらず、売上は1.5倍に伸びたのです。これはまさに「CVの価値」を基準に戦略を設計した成功例です。
“量”と“質”の両輪で成果は加速する
「CV数を増やす」ことはWEBマーケティングにおいて非常に重要ですが、本当に見るべきは「CV1件あたりの価値」です。
- CVの種類は? → 売上に直結するか?
- 成約率は? → CVの中身は質が高いか?
- LTVは? → 長期的に利益を生むか?
これらを総合的に見て、成果につながるCVの最大化=売上最大化を目指すことが、今後のWEB集客において必要な視点です。
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